コーラスのアルバムは、1986年の『CHARMING』に続き、1999年発売の『DEVOTION』が2作目ですので、多くの人に知られているかどうか分かりませんが、その魅力溢れるハーモニーは、一度聴いた者を虜にする凄みと切れ味と温かさを感じます。
本作品はア・カペラを中心としたスタ・レビのコーラスの実力を遺憾なく発揮したアルバムです。
1曲目の「ダニー・ボーイ」は絶品です。初めて聴いた時の驚きと感動は筆舌に尽くせぬほどで、今でも新鮮な感覚で受けとめています。根本要の無伴奏ソロの歌唱を別に聴くことができますが、その歌唱力の高さと声の素晴らしさを味わえます。
バカラックの「雨にぬれても」、セル・メンのヒット曲「マシュ・ケ・ナダ」のアレンジの冴え、嬉しくなるような完成度だと思います。
ジャジーな前奏から印象的で複雑なハーモニーを披露する「星に願いを」はリスナーを夢の世界へといざなってくれるような懐かしさに溢れていました。
竹内まりやの「元気を出して」も素敵です。根本要は高音に魅力があるだけでなく、女声とも男声とも取れるような不思議で稀有な声質の持ち主です。女性も男性も歌われている歌を自分の身に置き換えられますので、万人にとって感情移入が容易になるのでしょう。今日まで30年近く第一線のバンドとして活躍している理由が、彼の歌唱力と音楽性にあると思っています。
1981年のデビュー曲「シュガーはお年頃」もアレンジを変えての登場です。バラードのスタ・レビと言われていますが、このようなアップ・テンポの名曲もまた彼らの魅力です。
「SILENT NIGHT〜WHITE CHRISTMAS」などのクリスマス・ソングも大切な方と聴くときには欠かせない演奏だと思います。