梅本竜の出世作にして代表作の一つである『DESIRE』のBGMを、"THE ORIGIN"の名が示す通り
オリジナル音源(YM-2203)版で収録した2枚組みCD。2枚目の後半には音源違いのBGMが9曲、
ボーナストラックとして収録されている。初期の作品だけあって、音の色付けや楽曲の構成に
"もどかしさ"を感じずにはいられないものの、彼のBGM作曲者としての最大の特徴・長所である
「音楽だけで多くを語り過ぎない」姿勢は、この時点で既に確立されている。趣の違う曲に隠れた
共通する構造を暗号のように伝える「Ishtal」「Brain」「Awakening」「Beat」の"Signal"4曲は、
この時期の梅本竜のBGMに対する理想を、かなり具体的に形に表しているものではないかと思う。
ボーナストラックでは『DESIRE』の核となる3曲に、3種類の音源で新たな表情を付け加えている。
それぞれ制作時期は異なるけれど、一貫しているのは余分なものを安易に付け加えていない点。
彼は、出来る事が必ずしも必要な事ではないというごく当たり前のことを忘れてはいなかった。
それはつまり、一度たりとも時代に取り残されたことなど無かったという何よりの証拠だろう。