レコーディング後にヴォーカルが離脱したらしく、一応、最終作になるようだ。
前作に比べると、バラード調の曲こそないものの、ヴァラエティに富んだ楽曲が揃っている。各曲の個性を際立たせるのに、キーボードが大きな役割を担っている。
ただ、改めて判ったのはヴォーカルとギターの相性が悪いということ。曲は良いが、歌メロが…という曲ばかりなのだ。このため、リズム・セクションが素晴らしく、良いグルーヴ、ノリをせっかく作り出しているのに、コーラスで「あれ?」となる。ギター・ソロは相変わらずスリリングだ。
まぁ、1なんかは意図的にエフェクトをかけて、ブルータルな音作りを狙っているんだろうけれど、2、3、5、7、9、10のような曲を聴くと…特に9、10はバンドの可能性を広げにかかった意欲作と思われるだけに、もったいない。
リフの弱さにも原因があるけどね。日本のHR/HMに多く見られるのがR・ブラックモア、M・シェンカー、Y・マルムスティーンの劣化版リフ、強化版ギター・ソロというパターンなんだけど、本作もその典型だ。この上、歌メロが印象薄となれば、作品の評価も「上手いんだけどねぇ…」で落ち着かざるを得ない。
もちろん、★x4付けるのだから、良いものもある。オススメはストレートな8、11、ミッドテンポのメロディアスな曲調で、ハモンドが良い味付けを加えている6は歌メロも含めて好きだ。