ゲストの人選だけ見たら世界中見渡しても他に類を見ないほど高水準である。DJ Premierのシャウトインで始まり、Camp Lo、Dred Scott & Adriana Evans、Bahamadia等ベテラン勢から、Talib Kweli、Lupe Fiasco、Aloe Blacc、Zion I、Surreal (Sound Providers) 等メジャー・アンダーで活躍している人気MCをフィーチャーしたトラックで構成されている。ヒップホップを聴きこんでいる人はともかく、ヒップホップを普段聞かない人やこれから聴こうと思っている人にはとりあえず本作を手にするという人が多いと思うが、人選は間違いないので妥当な買い物であると言える。本作だけに留まらずさらにゲスト個々の作品にも手を出すという楽しみも広がっている。
だが個人的な感想を言うと、トラックの出来は正直大した事ない。ノリを重視したコンセプトなんだろう。確かに抜群に聞きやすくBPM速めのポップチューンが目白押しである。上ネタも鍵盤が跳ねまくりホーンが煽りまくる構成だが、如何せんそれを支えるべきボトムが貧弱。まぁこれだけ音を派手にすると結果的にドラムとベースの持つ本来の旨みを逃してしまうのは言うまでもない。簡潔に言えばクラブで踊るのにはいいが、夜に一人でしんみりと聴くのには向かない。この辺の認識の深さは同じ日本人でもNujabesの方がまだ良く分かっている。
関連作品でSweet 90's Blues Remixなるものがあるがこちらも同様のことが言える。Mobb DeepやNas、Common等、90年代の大クラシックをリミックスしているわけだがどれも原曲を超えられていない(当たり前だが)。ただ、両作品とも商業的には大成功でしょうね。これだけの人選とこれだけの元ネタが揃えばプロデューサーが誰であろうと売れる。