3作あるこのシリーズ、全作通して云えることはヒューマンラブの物語であると言うことです。刑務所、特殊部隊、テロを巡るCIAとFBIの抗争、大企業と政府の癒着、欲望と陰謀の中虫けらの様に人生を奪われていく人たち・・・。本当は誰が一番悪人なのでしょうか?こんなハードボイルドな事柄を背景に物語が進められていく中、人の痛みを理解し、弱さを受け止め、それをいたわる事ができるということが人間としていかに大切かを教えられます。人間はとても弱い。でも相手の幸せを心から願えるピュアな愛を持った時、とても強くなれる。そしてその愛に救われる人がいる。たとえそれが一瞬でしかないとしても、どんなにささやかなものだとしても、他人の人生に少しでも光を当てることができたとしたら、この世に生まれてきた甲斐があるというものです。人間が愛しくなるそんな作品でした。基本的にBLですので、ハードボイルドとして楽しもうと思うと物足りなさが残ります。しかしそのBL枠で、ここまでまとめた作家さんと、それを許した出版社に拍手です。多くの方に読んで頂たい作品です。