「DARLENE」はシンプルなメロディーで愛情に満ちた歌詞を彩る、まさにソロになってからの彼のストイックな音楽性が成しえた快作です。「bask in art」にも似たメロディーながら、あちらはグラム・ロックを軽快なビートに乗せたもので、こちらのサウンドはどこか清廉で煌びやかな印象を受けます。特に歌詞を見ていると、もう彼が何の迷いもなくファンへの愛を歌っているんだなというのがひしひしと伝わってくるようです。なんだか永遠の愛を約束しているようなのに、何故か憂いを秘めているのも永きに渡って音楽界をリードしてきた彼だからこそ滲み出てくる熟練の味なのでは。飽くまでポップすぎない楽曲ながら、やはり「狂った果実」同様聴き込むごとに好きになっていく名曲だと思いますよ。
「RELAX」は恒例の洋楽カバー曲ですが、原曲と比べると歌もサウンドもかなりタイトに締まった仕上がりで、特に彼の声がコーラス部分と重なるところなんてもう鳥肌もののカッコ良さですよ。重厚なプログラミング音も渋いし、ギターのリフが「20th century boy」のカバー版の雰囲気を引き継いでいるようです。三代堅さんの編曲の構成力の凄さには脱帽もので、しっかりと既存の名曲を清春色に染めてくれてます。ライブではいいアクセントになってくれそうですね。
「YOU」は通常版のみのカップリング曲で、こちらはオリジナルの新曲となっております。曲の世界観はソロでの名曲である「二月」や「真冬の華」を連想させるような深々とした趣で、私的にはまさに彼の音楽では今一番聴きたかったスローテンポの美しいナンバーです。コンセプト・アルバム「light」と「shade」の作風も受け継いでいるようで、サウンドに深みを感じます。詞の内容はソロ・デビューアルバム「poetry」の雰囲気を帯びた卓越した言葉の選びと、やはり大切な人に向けた愛情が散りばめられたもので、「優しさ」・「儚さ」・「温かさ」がこの一曲に集約されたような内容。先に述べたアルバムが好きな方にはきっと心に染みる曲だと思いますよ。そういうこともあり、私としては同時に3タイプでのリリースを飾った中では、この通常版を是非お勧めしたいですね。