ガイドブックと言うのは、その地域に旅行に行くために必要なツールですが、行く予定がなくても将来行きたい時のための夢を育む道具でもありましょう。
シルクロードと中国西北部は行けそうで行けないエリアの一つでしょう。先年の新疆ウイグル自治区での争乱と、中国政府の治安回復という名の「弾圧」の報道を振り返ってみると、根深い民族問題が横たわっているのは如実に感じられます。それゆえ中国民族、所謂漢民族とは違った文化、歴史に彩られた都市を訪ねる喜びが沸いてくるでしょう。
本エリアの魅力の第一は、シルクロードの世界遺産として、秦始皇陵・兵馬俑坑について詳しく説明してあるところでしょうか。口絵のあたりにも大きく写真を掲載していますが、53ページ以降、この世界的な歴史遺産とも言える素晴らしい埋蔵物について紹介してあります。読みながら実際に目の当たりにしたいと言う思いが募るところです。
敦煌の莫高窟は説明不要の観光のメインスポットでしょう。16ページの分量で、それぞれの窟に収められている文化財の数々を写真入で掲載してありました。眺めているだけでうっとりとしてくるもので、旅情が高まる内容でした。
新疆ウイグル自治区の最奥にカナス湖という秘境の地に湖があるのを知りました。そこへ行くのは大変ですが、人間の手が入っていない自然美を堪能できそうな地域でした。
東トルキスタン(中国政府はこの名称にも神経を尖らせているのですが)西部にあるカシュガルや首府ウルムチ、トルファンといったシルクロードらしい都市の魅力も存分に紹介していますので、読むだけで一定の満足度が得られるでしょう。
上記以外にも、西安の名物が餃子であることを紹介したコラムも面白かったです。治安の悪さや旅に必要な知識や情報も盛り込まれています。