近藤勝也氏といえばその絵柄からも分かる通りスタジオジブリ生え抜きのアニメーターである。ラピュタではシータ救出の場面を臨場感を持って描き、その絶妙のタイミングはピクサーのジョン・ラセターをして最も素晴らしいアニメートであると言わしめる実力の持ち主である。トトロではネコバスを任され、魔女では企画段階から関わりキャラデザインと作画監督を務めている。おもひで、紅の豚を経て海がきこえるでは原作の挿し絵から関わり、作品全体のイメージを彼のカラーで統一している。もののけ姫ではシシ神殺しのシークエンスを担当するなど宮崎駿の秘蔵っ子といえる存在である。氏も、おやじと呼び慕う間柄で現在も宮崎駿の新作に最も重要なポストとして参加している。原作の酒見賢一氏も、墨攻が宮崎氏によって映画化が企画されるなどジブリと縁が深く、後宮小説は近藤氏をメインにジブリの若手も参加し見事に映像化されている。この二人の相性が良いのは言うまでもない。ダークは初期の話数はグレースケールに透明水彩を使用するという試みがなされ、独特の効果を上げており興味深い。第1話での筆致(ペンタッチ)は瞠目すべきものであり、氏が並みの絵描きではないことを如実に物語っている。