アメリカの現代作曲家ジョン・コリリアーノの「ファンタジア・オン・オスティナート」に始まり、ベートーヴェンのテンペスト、合唱幻想曲と続き、ペルトの「クレド」で終わるという、一見意表を衝いたプログラム。
コリリアーノの作品は、ベートーヴェンの第7交響曲をモチーフにしたもの。合唱幻想曲は第9の下敷きになった作品。「クレド」は、バッハの平均率クラヴィーア曲集の第1曲をモチーフにした宗教作品(信仰の告白)と見てくると、一本芯の通ったプログラムであることがよくわかる。
この中で唯一”普通の作品”であるテンペスト。意外と普通の解釈だが、見かけによらず骨太の力強いピアノだ。しかし、ポリーニなどの強靭かつ繊細な表現を聞きなれた耳には若干違和感もある。で、マイナス1.
さて問題の「クレド」であるが、これは1968年の作品。ということは彼が、「フラトレス」「タブラ・ラサ」などの作品で世界に衝撃を与えた、ティンティナブリ(鈴鳴らし)様式に至る以前の作品である。
ロストロポーヴィッチの委嘱作品であるチェロ協奏曲(1966年)とほぼ同じ時期で、この時期のペルトの特徴がよく現れた曲といえるだろう。
ペルトを称してミニマリストという人が多いが、それは違うのではないかと常々思っている。この「クレド」とティンティナブリ以降の作品群とは表現は大分違うが、方向性は同じだと思う。