アドビが現行の主要アプリをパワーMacに対応してくれず、途方に暮れていたところで、
まさに救世主的な存在が登場した。
印刷・デザイン業界では、長年にわたってMac OS9+イラストレータ8.0.1+QX3.xの
呪縛から逃れられず、新環境(当時の)への移行が進んだ契機が皮肉なことに
インテルMacの登場だ。
そうしてまた、PowerMacも切り捨てられてしまった。
まあ、昨今はPDF入稿も定着しつつあるので、以前ほどアプリの種類やバージョンに
振り回されることがなくなり、アプリのバージョンアップもしやすくはなった。
裏を返せば、必ずしも今まで通りの環境やソフトを継承しなくても良いのだが……。
そんな感じで、この製品に乗り換えてみることにしたのだが、意外に良さそうな感じだ。
価格差を考えたら、大健闘している。
もっとも、アドビのソフトの価格分の機能をフルに使いこなしている人なんて
ほとんど(?)いないだろうし、実際のところ、このソフトで十分以上だ。
MacOS Xの使いやすさや効率性、そして標準でバンドルされているヒラギノフォントの
美しさには、Windowsマシンは逆立ちしたってかなわないが、ソフト自体の能力や
快適さは予想以上だ。
インストール時の動作の遅さを目にしたときには暗澹たる気分だったが、これなら
本格的にアドビのソフトから乗り換えるのも悪くないと思わせる。
アドビのソフトに慣れた人間にはユーザーインターフェースの違いに戸惑うだろうが、
2時間のトレーニングビデオもあるので、その辺は(きっと)何とかなるだろう。
出版社の解説書などに頼りきりにならない姿勢には好感が持てる。
軽快な動作や、自由自在の拡大縮小画面など、使い勝手は良好で、アドビの
デザイン系のセットの使用者だけでなく、ワードなどで苦労しながらデザイン
しているビジネスユーザー層にも売り込めそうだ。
ところでCorelといえば「ペインター」が非常に有名だが、できれば
そちらも何らかの形で組み込むようにすれば、もっと良かったのではないか。
グラフィックソフトの最高峰とまで呼ばれているソフトだが、最近はPhotoshopと
SAIの板挟みで苦戦している様子だ。シェアや価格差など厳しい要素は多いが、
このまま引き下がっていて良いということはない。
最近のアドビはユーザーサポートでもイベントの説明員の態度でも、トップならではの
油断と慢心が随所に見受けられる。
せっかくこのような優れた製品を出しているのだから、もっともっと市場に切り込んで
アドビを慌てさせ、お互いに切磋琢磨してほしい。