ソニー・クラークのピアノは音が少ないのに、間合いに含蓄がある、とピアニストの野本晴美さんが確か言っていたが、この「クール・ストラッティン」がその典型ではないでっしゃろか?マイルスやキースを聴き慣れた耳には、ぱっと聴いただけやと一般的なハードバップと聞こえるけんど、何度か聴いて居りますとじわじわしたテンポで、特にヘタウマのクラークのピアノのにじみ出るような味わいがええ。トランペットとサックスもうまくこうした意図を支えとるように思います。
本盤は名盤として、少しでも悪く言おうものならジャズが判っとらん、と言われるんやろな。ほんでも、「ブルー・マイナー」は一般レベルのハードバップ違いますやろか。ほんのり憂いを帯びた佳曲ですけどもクラークの味(含蓄)みたいなんは昼間部のピアノソロを含めて、ワテにはさほどは感じられんです。
Sippin' at Bellsは、ハードバップ時代のマイルスバンドの曲のよう。これも普通ですなあ。クラークの味は、やはりブルースがエエんちゃいますか。マクレーンのサックスはマイルスのバンドにいるように伸びやかですなあ。Deep nightはうら寂しいバラード曲。しみじみとして、メロディアスな主題フレーズが印象的な好演で、B面終わりにエエ雰囲気です。
別アルバムからのおまけ追加曲でRoyal flashは、1, 2曲めのクラーク自作曲とはちょっと作風が違い、普通のバップジャズで特徴は薄くトランペットは威勢がよろしいが、これならおまけに入れない方がいい気も。
同じく別アルバムからのスタンダード曲Loverではフロントラインになぜかマイルスバンド風のスピード感があり、それにクラークのカラフルで優雅な味わいのピアノのフレーズが印象的な佳曲です