料理は科学だということを述べたのは小林カツ代だった。そのことをより明確にしてくれるのがこの本である。
科学実験が大好きなギーク達は,料理についても科学実験と同じことを要求する。つまり,どのように調理するのかということだけでなく,調理の背景にある科学的な原理をも理解したいと思うのである。それを満たしてくれるのがこの本である。
例えば卵白を泡立てるのにプラスチックのボウルを使ってはいけない。できれば銅製のボウルを使うべきである。それはなぜか? 大きな肉塊は冷蔵庫で解凍するべきなのだが,それはなぜか?
いずれも化学的ないし生物学的な理由があり,この本では丁寧にそれらについて答えてくれる。
真空調理法や液化窒素による極低温調理法など,ギークが好みそうな調理法も紹介されているが,この本で扱われている調理法は常識的なものがほとんどである。だが,原理的な説明が加わることで,ギーク達にも納得のいく料理本となっている。
ギーク達の前に料理という未開拓の広大な沃野が広がっていることを教えてくれるのがこの本である。