いわゆる「デブリンもの」である。今までデブリンものは『鷲は舞い降りた』『鷲は飛び立った』が印象的であったが、今回の場合はクルト・シュタイナーは登場しない。デブリンと云うと私の場合、映画版『鷲は舞い降りた』のドナルド・サザーランドの印象があまりにもマッチしていたのでついついサザーランドの皮肉な顔を想像しながら読んでしまった。
今回の作品も、単純な勧善懲悪ではなく、敵も味方もそれぞれが逃れられない宿命の中で懸命に生きている姿が描かれており、それなりの作品になっていると思う。ただ、ヒギンズ節の大安売りの様な感も否めず「抜群」とは言えない。