アムランによるアイヴズとバーバーのピアノソナタ。注目盤といって間違いないだろう。
特に作品として重要なのは、やはり長大なアイヴズピアノ・ソナタである。ピアノ・ソナタ?
これがはたしてピアノ・ソナタなのかどうかは個々の聴き手の判断にゆだねたいところだ。
曲は4つの部分(楽章)から構成され、それぞれ、1楽章エマーソン (Emerson) 2楽章ホーソーン (Hawthone) 3楽章 オルコット家の人々 (The Alcotts) 4楽章 ソロー (Thoreau) というタイトルがついている。(アルカンっぽい)。
これらはコンコードゆかりの哲学者や作家である。ゆえにこのソナタは「マサチューセッツ、コンコード、1840-1860」 という副題を持つ。(注:ブロンソン・オルコットは超絶主義の語り手であるが、その娘のルイザが「若草物語」の著者である)。
技術的にもかなり演奏の難しい作品だが、これらのアイヴズ特有のイデー(超絶主義哲学への憧憬)があるわけで、ピアニストの表現者としての高い能力が要求される作品。
一応循環的に用いられる主題を持ち、ソナタとしての面目を保っている。
なお1Emersonにはヴィオラ、4Thoreauにはフルートを加えてもよいし、加えなくてもよい、 とされている。ここではフルートのみ加えられている。実はアムランは87-88年にもこの曲を録音しており、その際は純粋にピアノのみで録音していた。
今回の録音では前回と全体的な印象は変らないが、より深い思索的な模索もなされており、特に4楽章は深みを感じる。