ハイペリオンの隠れたロマン派のピアノ協奏曲を発掘するシリーズの37枚目。
今回はエドゥアルド・ナプラヴニク(Eduard Napravnik 1839-1916)の「交響的協奏曲」と「ロシア幻想曲」、それにフェリックス・ブルーメンフェルト(Felix Blumenfeld 1863-1931)の演奏会用アレグロが収録された。
ピアノはエフゲニー・ソイエフェルティス、オーケストラはアレクサンダー・ティトフ指揮のBBCスコティッシュ交響楽団。
ナプラヴニクは現在のキーロフ歌劇場の指揮者だったというから、今で言えばゲルギエフに当たる当時のロシア音楽界の重鎮だった。
一つ年下になるチャイコフスキーの悲愴交響曲を初演したのも彼で、終楽章のテンポ設定や、悲愴というタイトルに影響を与えた人物と考えられる。この録音からその作風を知る事ができる。
「交響的協奏曲」は冒頭からティンパニとともに刻まれる和音連打で衝撃的に始まり、古典的書法をベースにしたメロウな音楽が語られて行く。
やや奥行きのない面のある曲ではあるが、聴いていて豊な情緒を感じる。
「ロシア幻想曲」はあまりにも有名な「ヴォルガの舟歌」のメロディによる変奏曲となっており、たいへん親しみ易い。
ブリューメンフェルドはホロヴィッツの師としても知られているロシアのピアニストであり指揮者であった人物。
演奏会用アレグロはエスニックなムードのある作品で、バラキレフやボロディンなどの系列に当たる作風に感じた。
ピアノのエフゲニー・ソイエフェルティスは今キエフ出身で、13才でベートーヴェン・コンペティションに優勝したピアニスト。
適度にセーヴされた情感で品良くまとめている。