2007年9月11日リリース。2006年2月録音。おそらくこのアルバムに興味のある方は100%、1991年10月に録音された『Concerto for solo piano, op.39, nos.8-10』の演奏に魅せられた方ではないかと思う。ぼくも当然そうである。ここで2つの演奏を比較しながら書いてみたい。
1991年10月録音盤。ピアノはヤマハを選択。28:11→12:26→9:23
2006年2月録音盤。ピアノはスタインウェイを選択。28:21→11:54→9:25
まず最初に2つを比較して感じるのはどちらもピアノの特色を生かした演奏だ、ということだ。ジャズの世界ではチック・コリアが愛用していることで有名なヤマハは実に響く。そして今回使用したスタインウェイはHyperionに移籍してから展開しているアムランの世界でこの曲を延長線上として弾いているように感じられる。優劣をつけること自体がナンセンスに思える。グレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲の新旧盤と同様、『どちらも手に入れることが必要』な演奏だと思う。この曲の聴き比べほどクラシック好きにとって究極の歓びは無いように思える。
初録音の『Troisi'me Recueil de Chants, Op 65』も当然ながらすばらしい演奏である。他のレビューアの方も書かれているように、『短調による12の練習曲』が益々聴きたくなってくる。というか最早アルカンの全曲録音はマルカンドレ・アムランの使命であり義務であるように思える。必ずやってくれるだろう。