70年発表の4作目。この時代に頻繁に試みられたロックとクラシックの融合はアート・ロックという名称で紹介され、たくさんのグループが名作珍作を残したが、その中でも本作はかなり有名でこの手の試みの「失敗作」として紹介されていることが多い。本作は元エピソード・シックスの二人、イアン・ギラン(vo)とロジャー・グローヴァー(b) が参加後の作品で第二期に含まれるものだが、完全にジョンの志向に沿ったものであり(作曲もジョン)、内容的には第一期の完結編とも言えるものである。あの時代バンドとオーケストラの演奏をホールで一発録りするという発想自体が、金銭面その他で物凄いことであり、後の評価とは裏腹に特にプロモーション的な部分においてはかなりの成績を示したと言わざるを得ない。馬の合わない者同士が、お互いのエゴをむき出しで自己主張しているかのような演奏は確かに痛々しいが、どう聞いても「失敗作」とは言えないし、ここまで双方が互角の立場で共演した例がほとんどない以上、比較対象となる作品がない。本作での大きなインパクトが次作でのブレイクに一役買っているのは間違いないとも思う。したがって本作はどうあっても聞いた方が良い作品ということになると思う。珍盤には違いないが非常におもしろい作品である。00年に発表された『IN CONCERT WITH THE LONDON SYMPOHONY ORCHESTRA』は本作の再演を中心にした“やり直し”盤。聞き比べも一考だが、やはり若々しいこちらの演奏の方がおもしろい。