1969年9月24日、ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールで行われた第2期DPとロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとの共演は、音源としては何回かリマスターされて発売されていますので、コアなファンにとっては第2期DPの黎明期を知るうえで貴重な存在として位置づけられてきました。そこにきて、当日の映像がなんとDVD化。よくぞ発掘してくれましたと版元の努力には頭が下がる思いです。そんな貴重な映像ながら、画質は想像を遥かに超えて大変クリアーで、もちろん音質も抜群です。1969年という年代を考えれば奇跡のような作品です。
映像を観て気がついた点をいくつか。
これまで音を聴く限り、オーケストラをさておいて天衣無縫の限りを尽くしていたと妄想を膨らませていたリッチー・ブラックモアですが、何としっかり楽譜を見ながらプレイしていたという点。もちろん、アドリブはあくまでもアドリブですが、次章への移行時などではおとなしくジョン・ロードやオーケストラ指揮者の指示に従っている様子がわかり、変に感心してしまいました。また、通常なら髪を振り乱して弾きまくるところが、定位置に収まっておとなしくしている様が妙におかしく思えます。それでもすでに狂気を帯び始めた眼光を放つブラックモアの姿越しに、いかにも堅物という風情のオーケストラの団員が写り込んだり、イアン・ペイスが叩き出すシンコペーションに合わせて気難しい表情ながらさりげなくリズムをとる団員がいたりと、とても興味深い映像の連続です。ちなみにブラックモアのギターは、ラリー・カールトンでお馴染みのギブソンES335セミアコタイプです。
あまり知られていませんが、このロックとクラシックの融合という歴史的なパフォーマンスの当日、先立って彼らだけの単独ライブが行われています。ここで初めて披露されたのがあの「Child In Time」。このときの音源は編集盤「Power House」で聴けますが、こうなったらその映像もDVD化してもらえないでしょうか。
ひつこくて恐縮ですが、ロックとクラシックの融合を生ライブで演奏したのは、彼ら第2期DPが初めてです(ビートルズはあくまでもスタジオ録音です)。そんな歴史的瞬間を見逃す手はありませんよ!