これは正に20世紀最大のヴォーカリストであり,そして偉大なるジャズ・ピアニストでもあった,その名の通りNat'King'Coleの最高傑作として知られる「アーフター・ミッドナイト」のコンプリート・セッションとして永久に残したい貴重な録音である。
この演奏に代表されるように,かのオスカー・ピーターソンとのエピソードは有名で,当時のシンガーやピアニストらに多大な影響を与える輝かしい業績を彼は残した。
1953年頃からソロ・シンガーとなることを時代が要求したけれど,単なる「ポピュラー・シンガー」では決して無いのである。
「彼のさり気なくピアノを弾きながら歌うHerat-Warmuな歌声は,何時の世にあっても万人の心を癒す,不思議な魔力を秘めている。」
彼が残した膨大な録音の中で,ともすれば「甘い歌声」として軽んじられさえする彼の悩みを理解し,この録音で彼の実力を再認識して欲しいものだ。そしてオスカー・ムーアの在籍した約10年間の Nat'King'Cole Torio が輝かしい時代であったことも永遠に語り継がれていくことだろう。 皆さんも,往年のNat'King'Coleにゆったりと耳を傾けて,ぜひ人生を味わい深いものとしてほしいと願う。