フランソワーズ、68年の8枚目のアルバム。
僕はフレンチポップ、イエイエガールの楽曲は確かに好きなんだけど、どうもワンパターンなところがあり、アルバム買うならベストでいいやという考えなのだが、フランソワーズ・アルディだけは別で、特に60年代後半から70年代半ばまでの彼女のアルバムはとてもトータリティが高く別格だと思っている。それはアルディの美意識に対する尖鋭性が強烈だったことによるのだと思う。いわゆるシャンソンの悲哀の情とは一味違い、哀しみすらも格調高い美しさに昇華しているロマンティックさが特徴だ。
さてこのアルバム、表題曲の"さよならを教えて"が、大変、有名で聴けば多くの方が知っているポピュラーな曲だが、それをM1に持ってきているため、普通ならその後の展開のポテンシャルが心配なところだが、そこはこの時代のアルディ、1曲たりともクオリティは落ちていない。スロー・ミディアムテンポの曲ばかりだが、決して退屈な感覚はない。むしろこの気だるさがアルディの美意識の象徴ともいえるだろう。流麗なオーケストレーションがしっかりと曲に格調高さをつけているが、全く大仰に聴こえないところは、本当に素晴らしい意匠だと思う。わずか30分のこのアルバム、しかし12曲じっくり味わえるアルバムである。