と称される変態、いや天才、エイフェックス・ツインのEPである本作。数年前何気にテレビを見ていたら、いきなりぶっ飛んだブレイクビーツと「おっさん顔の子供」が暴れ回り、挙句の果てにはテレビから出てきた化け物が絶叫しておばあちゃん発狂という、"Come To Daddy(Pappy Mix)"のPVが流れてまして(後にクリス・カニンガム作品だと知りましたが)。この悪趣味極まりない恐怖劇場に衝撃を受けCDを購入したわけですが、内容も素晴らしい。
このEPは表題曲"Come To Daddy"が3ヴァージョン収録された8曲で構成されています。ですがこの"Come To Daddy"がヴァージョン違いとは思えないほどアプローチ(ホラー、ファニー、工事中)が違うので、何だかお買い得感が広がります。
しかも、リチャード・D・ジェームスの世界観がわかりやすく凝縮された楽曲ばかりで、実にポップ。冒頭ホラーショウな"Come To Daddy(Pappy Mix)"でビビった耳を、次の心地良いアンビエント"Film"は優しく包み込んでくれます。かと思えば、天才の面目躍如"Bucephalus Bouncing Ball"というとんでもない軌道を持ったブレイクビーツで一気に混乱に陥れますし、悪趣味コメディー路線"Funny Little Man"なんかも抜かりなく挟んでくる。そしてラストを締めくくるはセンチメンタルな"Iz-Us"......。
これだけバラバラなのに、「Come To Daddy」には過剰なユーモアを受け止めるだけのトータル感もある。そこがドリルンベースあり、ピアノソナタありの性急な楽曲で埋め尽くされながら飽きた、「Druqs」との違いなんですが。