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23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これがアルゲリッチの真の姿なのかもしれない,
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レビュー対象商品: The Collection 3 (CD)
所有欲を満たしてくれるBOXである。協奏曲箱ではアルゲリッチの協奏曲のみという縛りのせいか、オリジナルリリース時に収録されていたソロ曲や、ラヴェルのト長調とカップリングされていたミシェル・ベロフ演奏の左手のための協奏曲などもカットされてしまい、もどかしい思いを味わったが、今回はそんなこともない。しかも、こうしてみると、それぞれのアルバムのアートワークのなんとよくできていること。ジャケット写真を見るだけでも、アルゲリッチというこの巨大な彗星が、はにかみがちの微笑みの奥に深淵を隠しているようにも感じられ、なにやら気になってしかたがなくなってくる。演奏自体も、聴けば聴くほど謎めいてくる。もちろん圧倒的な存在感……なのだが、不思議なことに室内楽になると、リズムの強調や音の色彩といった、まばゆいほどに強烈な「光のような要素」だけがきわだってきて、彼女自身の音楽の輪郭や特徴といったものの印象が薄れていく。これはまるで透明人間か、はたまたカメレオンか。昔から「アルゲリッチのピアノの特徴」として、快速のテンポとともに、人間業とは思えない強大なダイナミクスを語られることが多かったが、そういう「人よりも目立つ」持ち味とは相反するはずの「自分の姿を消す」才能こそが、じつはアルゲリッチの真髄だったのではなかろうか。 そういう意味で、私感だが、このBOXは「アルゲリッチというプリズム」を通して、彼女の共演者たちの演奏を聴くことができる稀有の記録でもある。だからこそ、ここではクレメルやマイスキー、バシュメットといった奏者たちのロシアっぽさが(自然なのに)匂い立つようだし、ピアノデュオでは彼女よりもパートナーたちの「それまではあまり表に出ていなかった持ち味」が強く輝きだす。さらにはバルトークで共演している名手ペーター・ザードロによるパーカッションが、あれだけ巧みなのにかえって控えめに聞こえるというのも、何やら暗示的な気さえする。この6枚で聴くことにとても価値がある貴重なボックスだ。アルゲリッチのファンならもちろんのこと、そうでない人にもぜひ聴いてみてもらいたい。
34 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
室内楽集,
By nagata m. (愛知県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: The Collection 3 (CD)
アルゲリッチBOXシリーズ第3弾は、室内楽集です。内容は、過去リリースされた以下の6枚により構成 されています。 DISK1 ラフマニノフ:シンフォニック・ダンス 作品45 DISK2 バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ DISK3 ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番、チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 DISK4 ブラームス:ピアノ四重奏曲 DISK5 プロコフィエフ:シンデレラ DISK6 ザルツブルク音楽祭2009 アルゲリッチが好きで、上記のCDを持っていない、という方に お薦めいたします。
27 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
密度を増す恒星の行く末は。,
By
レビュー対象商品: The Collection 3 (CD)
マルタ・アルゲリッチのDG音源を完全網羅する? ボックスシリーズ第三弾は、大方の予想通りの室内楽集。クラムシェルボックスに初回リリース時のジャケットを再現した紙製内ジャケ、たいへん丁寧な編集のブックレットなど、シリーズ共通の仕様。なお全6枚の収録内容については、DG公式サイト http://www.deutschegrammophon.com/cat/single?PRODUCT_NR=4778847 (全曲試聴つき)を参照されたい。Vol.1が8枚組、Vok.2が7枚組、そしてVol.3は6枚組と、徐々に数が減っていくようだが、逆に録音年は現在に近づいている。ここでは1980年代以降、アルゲリッチが演奏活動の軸足を置いた二台ピアノ、三重奏そして四重奏を聴くことができる。参加ミュージシャンはエコノモウ、フレイレ、クレーメル、マイスキー、バシュメットそしてプレトニョフ。 彼らとの演奏は、すべて対等な立場での共演で、ゆえにこのボックスは(EMIのように)「アルゲリッチ&フレンズ」の名義とすべきかもしれない。もちろん、共演者に異議を唱える人は誰一人いないはずだが。 収録曲については、ここまでのシリーズ中もっとも地味である。これは一般的に知名度の高い曲が含まれないためであり、また二台ピアノなどの演奏形態も、ポピュラリティに欠けるかもしれない。アルゲリッチ作品の、ソナタやコンチェルトのみに接してきたきた方は、戸惑うことも多いはずだ。 だがここに収めれた演奏は、密度と緊張感という意味では、過去の二つの箱に勝るとも劣らない。というより、むしろ凌駕しているようにも思える。それは6枚中3枚を占めるピアノデュオで、より顕著に感じられる。そこでのアルゲリッチの演奏は、まるで終焉に近づくにつれ、じわじわと密度を増していく巨大な恒星のようだ。では、その先にやってくるものは何なのだろう? なおアルゲリッチのDG録音には、ここまでのボックスに収められなかった音源がまだ多く存在する。ピアノ以外のデュオ作がそれで、そうした音源も来年にはボックス化されることだろう。全集完成も間近のようだが、それ以上に新作を期待して待ちたい。
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