【アルゲリッチの繊細さ】
マルタは、激情+パワフル+奔放、みたいに言われるけど、それは彼女の
一部だと思います。”繊細、気品、優雅”も本Boxから聞き取れます。
何曲かご紹介します。まず
【パワフルで奔放】
CD1/プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26/ラベル:P協ト調
この曲は彼女の十八番(おはこ)。ジェット機が滑走し大空に舞い上がる、まさにそのような演奏に私は感じます。アルゲリッチの力感が発揮されている。”女流”と書く必要な無いアルゲリッチ。プロコフィエフの全ての録音CDの中でも傑出した演奏だと思います。
アルゲリッチ自身がこう言っています
「私はプロコフィエフに愛されているの,(プロコフィエフの曲に,の意味でしょう)だから(弾くのは)簡単。
ラベルは完璧、完成されすぎている。でも好き。」…出典:
アルゲリッチの音楽夜話 [日本語解説書付輸入DVD] (Martha Argerichi Evening Talks a film by georges Gachot) [Import DVD]
CD3/チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23/録音:1970年12月 クロイドン
アルゲリッチ29才の録音です。「巨匠」の演奏です。神童だったんだから、20代で巨匠になっても不思議ありませんが…ただ演奏が”リヒテル風の”巨匠のように聞こえます。リヒテル:
チャイコフスキー&ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 録音:1959年4月 モスクワ
くどくなってすみませんが、29才のマルタが、名盤中の名盤リヒテルの盤に勝りとも劣らない演奏をした事実には変わりありません。
【チャイコと遊ぶマルタ…気品を持って優雅に】
CD6 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23/録音:1994年12月 ベルリン
これは、/CD3 録音:1970年12月 クロイドン/とはまったく違う演奏になっています。
★第1楽章の、118小節目、(時間で言うと、初めから3分40秒ぐらいから)に、左手の特徴的な3打鍵があります。3打鍵はあと二回繰り返されます。この3打鍵を強調しているのはアルゲリッチしかいないように思います。(もちろん私の聴いたか限りの話です)
「あ,遊んでる。チャイコおじいちゃんが53才のマルタおばちゃんと。何て楽しいんだ、見てる僕等だって楽しくて楽しくてしょうがない。
あれ!!!!おじいちゃんとおばちゃんが腕を組んでスキップし始めた。ダン、ダン、ダンの3つの音でスキップしてるんだ。全部で3回のスキップを、おばちゃんがリードして3回ともちょっとずつ違うんだよね。チャイコおじいちゃんは、マルタおばちゃんのリードがよっぽど気にいったんだね。ニコニコして嬉しそうだもの。
24年経ってアルゲリッチは本当の自分になったのでしょう。もう巨匠を学ぶ必要はない。自分の音楽を指が弾けばいい、音楽は自分の楽しみ。「今の私は幸せ。」音楽がそう言っているように思います。進化し続けたからでしょう。
他の曲にも同様な事が言えるんじゃないでしょうか。
★こんなに安いCDBoxはそんなに無い。と思います。このボックスを聞き込んでいくと、無尽蔵の宝物が得られるでしょう(最近の流行り言葉で言うと”レアース”の山、普通に言うと"宝の山”)
全ての音楽ファンの皆様、アルゲリッチ大好き人間の皆様
このボック1,2,3,(このレビューは2)をお薦めします・