登録情報
|
類似した商品から提示されたタグ(詳細)関連タグ(この商品に近い関連キーワード)を追加する++最初のタグになります
|
第1章は著者が子供の頃に係わった米国モンタナ州から始まる。あんな田舎の州に何があるのだろうと思ったが、廃鉱山の後始末、雪解け水が減ることによる水分配問題、外来種の侵入など、身近な環境問題があることから入っていく。
第2章からは、過去の崩壊した社会の事例を、イースター島、グリーンランドのバイキング植民地などに取り、環境破壊・気候変動・外敵・交易・環境問題に対する社会の反応などの切り口で、検討していく。
逆に生き延びた社会の事例として、ニューギニア高地の環境適応した農業や、日本の江戸時代の森林保護を挙げている。
(日本は国土の3/4に森林が残っている世界でも稀な先進国だが、世界一木材を輸入しているいわば「森林伐採」の輸出国であることが、私は恥ずかしい)
そして、現代の事例として、ルワンダの大虐殺と人口過剰、同じ島の東西にありながら森林保護で逆の道を歩んだハイチとドミニカ、中国・オーストラリアの抱える問題を、環境の観点から説明している。
最後に、現代の社会は、オランダの干拓地のように一度堤防が決壊すれば貧富に関係なく全員が被害を受けるようなものだと説明し、環境問題に対する注意喚起をして、個人でできることから始めようと言っている。
これでもかこれでもかという崩壊の歴史の提示により迫力満点の本に仕上がっている.日本も戦国時代には森林破壊の危機だったところを徳川幕府の長期的政策により森林が保たれたとか,オーストラリアは実は(鉱業を除き)農水産物資源に乏しく競争力も無くヨーロッパ中心主義の価値観を変えなければ生活水準低下の危機にあるとか結構驚きの記述も満載.同じ島にあるハイチとドミニカの歴史も興味深いし,ビッグビジネスがすべて環境破壊的であるわけではなく,過去の失敗でコストを払って学習していたり,環境保護と企業の利益が一致する仕組みが(消費者の環境コストを少し高い製品価格という形で支払う)あれば環境保護的なビジネスモデルになりうるというのも示唆に富む.
しかしもっとも迫力があるのはイースター島の文明の崩壊とグリーンランドのノルマン植民地の崩壊である.前者は長期的視点に立てなかった人々の悲劇,後者は自らのアイデンティティを変えられなかった人々の悲劇である.
示唆に富む著述がてんこ盛り,環境問題の解決の鍵は長期的視点を保つ仕組みづくりと人々の価値観を変える決意だという結論には説得力がある.
|