アメリカンロックの良心とも呼べそうなハートウォーミングなサウンドを身上とするデスキャブ。通算7作目となるこの新作も、そんな基本路線は全く変わっていない。
ポール・マッカートニーやブライアン・ウィルソンに連なる珠玉のメロディーとポップセンスが満載の、素晴らしいアルバムだ。
前作までと同様に、本作も、カントリーやフォークロックがベースの、純朴なポップチューンが主体となっているのだが、今回は、サウンドプロダクションにかなり注力したとの印象を受ける。
どちらかと言えば、ライヴ感を重視したイージーフィーリングな作風であったこれまでのものと比較すると、デジタルサウンドを随所に散りばめたり、奥行きのある立体的で高音質のサウンドクリエーションを目指したりと、音像のあり方に拘ったものになっているのだ。
結果、完成したのは、Thick&Heavyな音の壁であり、更にメジャー感の増したハイグレードなロックアルバムであった。
ごく初期の頃から彼らのファンであった人たちが、そんな本作の作風をどう評価するかは微妙なところであるとは思うが、僕個人としては、よりパワーアップした今回のこのスタイルは、彼らにとって、大きな前進であり成長であると受け取った。
楽曲の基本となる部分はそのままに、新たなる方向性を探りつつ、そしてそれを高レベルで完成させた作品。
簡潔に表現すれば、そういったアルバムになると、僕は思った。
彼らの音楽がますます好きになれる、傑作だ。