タイトル通り、女性アーティストによるニール・ヤングの名曲のカバー作品。曲目リストからわかるように、ニールの70年代までの代表曲は2CDでほぼ網羅されている(アフター・ザ・ゴールド・ラッシュがない等と言い出すときりがないが)。全曲女性がヴォーカルを担当し、ニールのメロディ・歌詞と斬新なアレンジ(といっても原曲のイメージを破壊するような過激なものはない)が絶妙な化学変化をおこしてアルバムを通して不思議な統一感をもった独特の世界を作り上げている。ニール・トリビュート作品の中でも際立った出来。21世紀にしっかりとニールの曲が受容される様を耳にするのは嬉しい限りだ。その女性アーティストは上のジャケットのイメージを拡大すると登場順に紹介されているので、関心ある人は目で確認して下さい。
「ヘルプレス」のような元々スローな、女性ヴォーカル向きの曲だけでなく、ニールのハードなエレクトリック・ロック路線の代表曲も多くカバーされているのに注目すべきだ。「オハイオ」は2アーティストが採り上げているが、原曲に近いエレキ・ギターを強調したアレンジと、アコースティック・サウンドで途中に「自由の値」を挟むアレンジの両方を楽しめる。「パウダー・フィンガー」は意表をつくスローなアコースティック・サウンドに作り変えられていて、適度にけだるいムードが心地よい。アレンジの面白さはこれらの曲に限らず、何れの曲についても秀逸。ずばり傑作。
なお、本作のタイトルにも表れているが、ジャケット内側の文章を読むと、本作の収益はすべて乳癌の女性のための慈善団体に寄付されるそうだ。本作は、ライヴ8等の活動に積極的なニールの曲に敬意をこめて作られた、女性による女性のための作品と言えるだろう。