デビュー作、僕には痛快なものだった、その印象は今でも変わらない。でも、“この面子にはえりを正して聴かないと・・”と自然と自分の肩に力が入ったと思う。“ひょっとしたら、彼らも?・・”、などと頭をよぎったのは、本作の1「Last Temptation」イントロがあまりにも気軽に、スっと入ってきて驚いた瞬間。でもそれはつかの間のこと。とにかく、心から楽しそうに演っているように感じる4人を、うらやむ気持ちで最後までアルバムを聴きました。
どの曲も、基本のリフはシンプル、キレ良し、カッコ良し。リズム隊の繰り出すボトムはあくまで堅実だが、自在に曲調に変化を与えるところはさすが。これらによって、オーバーダブを極力抑えながら、随所に絶妙なセンスの展開・アレンジを施している。サトリアーニのイマジネーションの豊かさは、今回も健在。全体を通して前作よりポップな印象だけど、徹頭徹尾ロックする。1から6までは軽快な曲調が多く、7以降はハード&ダーク。たとえば7「Three and Half Letters」。サビのリフレイン、“I need a job,I’m willing to work“、アフガン帰還兵や妻を肺がんで亡くした失業者、ホームレスなどの叫びを歌うのだから、シリアスになって当たり前だが。
サミーの歌はかなり表情が豊かに出ている。上記7もそうだし、10「Something Going Wrong」、“I got a feeling,Something going wrong ”を繰り返すだけのサビ、しかし心に来るものがある。アンソニーのコーラスともども、前作よりVo&コーラスの音加工が少ないため、Vo群が全面に出てくる。だから楽器群とのバランスがとても心地よく、全体の音作りは見事な出来栄えだ。
クレジットは10曲。でももう1曲シークレットがあります。この歌詞も現代社会に触れたハード&ダーク、良いです。それから、紙製の3Dメガネ付き。「こりゃ、楽しい!」、この一言です。