まるでヘッドハンティングのような再就職をした主人公。これまでの境遇が一変し、順風満帆な人生の再出発を果たしたかに見えたのだが…。良心の呵責に苦しみ、果ては子どもと地位のどちらを取るかの二者択一を迫られる、苦悩する壮年の男の人生を描いた作品。それにしても、主人公の娘の行動はどうかと思う。彼女自身は、自らの正義を信じて疑わないのだろうが、自分がどういう状態にあるのかを考えるならば、軽率の謗りは免れまい。
さて、文章・語彙についてであるが、概ね平易といえよう。ただし、私にとっては、第10章「Green World」が他の章に比べ、少々読みにくく感じられた。セリフが少なく情景描写が多いため、登場人物の位置関係を正確に掴めないと何のことやら分からなくなってしまうからである。
ともあれ、なかなか面白かった。