懐かしのジャズのスタンダード・ナンバーをボサ・ノヴァのリズムと雰囲気にのせて軽やかに歌っており、万人に愛されるサウンドに仕上がっています。軽やかだけれど安定した発声で軽々と歌ってしまう歌唱力のお蔭で、繰り返し聞いてしまうアルバムです。とても透明感溢れる音楽ですから、穏やかな休日の昼下がりに聴くと気分がよくなるでしょう。
デビュー20周年というキャリアによる巧さとは別に、変わらない雰囲気を保ち続けているわけで、その方にも驚かされます。
リーフレットには彼女のコメントが全曲に添えられています。解説は中原仁氏でもう少し詳しく書いてもらうともっと理解が深まったのに、という感想を持ちました。
全て英語で歌われているはずなのに不思議なことにポルトガル語に聞こえますし、ジャズなのにボサ・ノヴァの香りが漂うアルバムです。それだけ小野リサの個性が勝つわけで、何を歌わせても彼女らしさが漂うという証明のようなアルバムです。
リオでの収録ですし、バックのミュージシャンがブラジルのアーティストですからなおさらです。リズムの軽やかさとしなやかさはリオ独特の香りが漂っています。流石に本場ならではでした。
彼女のウィスパー・ヴォイスによって聞いているだけで癒されます。懐かしい曲に少し新しい風を吹きこんだような演奏でした。
選曲も名曲揃いですし、多くの歌手に歌われてきた曲ですので、下手な歌唱はできません。過去の名唱と比較されることをおそれずにボサ・ノヴァという独自の音楽世界を築きあげているからこそ発売できる企画でしょう。