スペルバインダーズは1960年代半ばにニュージャージーで結成されたR&Bクァルテット(ジャケットには5人写っているが、1人は短期間だけ在籍したギタリストらしい)。ニューヨーク/ワシントン・エリアでは大変な人気を博していたそうで、1966年の1年間に、いずれも下位ではあるが4枚のシングルをヒットチャートに送り込んでいる。
この時期の彼らのプロデューサーを務めたのは、当時R&Bからソフト・ロックまで幅広いジャンルの音楽を手がけていたヴァン・マッコイ。シングル曲のいくつかはノーザン・ソウルやビーチ・ミュージックのコンピレーションで定番となっているが、今回は唯一のアルバム(1966年リリース)にそこから漏れたシングル作品を追加した、彼らにとって初の単独CDの登場。
どの曲も非常に良質かつポップな仕上がりになっており、リード・ボーカルのボビー・シーバースがエディ・ケンドリックス風のファルセット・ボイスで歌う典型的なノーザン「Help Me (Get Myself Back Together Again)」「Chain Reaction」や若干メロウな「We're Acting Like Lovers」などお馴染みのナンバーは勿論のこと、他の収録曲いずれもが水準以上の出来。現在もノーザン・ソウル・シーンで精力的に活動を続けているという彼らの存在が、広く知られるきっかけとなるCDになるだろう。