仕掛け人が「リバーダンス」のミュージカル・ディレクターとあって、選曲は抜群。22曲中10曲がトラッド・ナンバーで、どこかで聴いたことのあるものばかり。最初、口パクかと思ってしまうほど、4人の歌姫のシンギングはパーフェクト。オープニング・チューンに続いて、メイヴ“Danny Boy”で想いはアイルランドへと馳せる。
クラナド等で有名な“Siuil A Run”(PPMの「虹とともに消えた恋」の原曲)をオルラが歌う。元来、国外追放された恋人を偲ぶ悲しい曲だが、妖精となって恋人の元へ飛んで行くかのように軽やかに歌う。
彼女のアイリッシュ・ハープの弾き語り“Isle of Inisfree”も聞き物。この後、オルラのハープの演奏で、クロエが“Ave Maria”を歌う。文字通りの命の洗濯となり、疲れた体は癒され、汚れた心は清められるような、精神性の高いソプラノです。エンヤがお姉さんのモイア・ブレナンの曲を取り上げた“May It Be”をリサが歌う。重層なオーケストラをバックに、リサはエンヤ同様、幻想美のあるオーラを発している。
シネイド・オコナーが歌った、映画「マイケル・コリンズ」のエンディング・テーマ曲で有名な“She Moved Thru the Fair”をメイヴが歌う。メイヴの歌も去ることながら、12名のバック・コーラスが圧巻である。映画のラスト・シーンが蘇える。
4人の歌姫の他にもう一人。ヴァイオリニスト、メイリドのプレイは「秋の日のヴィオロンのため息の」のような哀愁があり、アイルランドが第二の故郷であるかのごとき、望郷の念に駆られる。
彼女たちは、先月まで全米ツアーでしたが、来日が切に望まれる。しかし、私は待ち切れず、その前にアイルランドへ行ってしまうことでしょう。そんな気にさせる素晴らしいコンサートです。