前作から約15年以上ぶり、待望の最新オリジナルアルバムです。
一聴してまず驚かされるのが1st〜3rdの既発作品とあまりに曲想が異なることで、かつての退廃/メランコリアを色濃く感じさせる欧州的耽美趣味は殆ど姿を消してしまいました。
タンゴやミュゼット、オペラ、ダブといった非ロック要素との融合も見られません。
全編にわたり、リラックスした清澄なムードの穏和なポップスで埋め尽くされていると言っても過言ではありません。
この極端な作風の変化は、これまでGavinのソロ作を共に作り上げてきたMaurice Seezerの不在によるところが大きいと思います。
また、1st・2ndのHal Willner、3rdのTim Simenonに代わって、Test Departmentや23Skidoo、M83等を手掛けてきたKen Thomasをプロデューサーに迎えたことも影響しているかも知れません。
前作までのあくどいほどに高踏的な雰囲気、汎欧州デカダンスを期待すると思い切り肩透かしを食らいますので要注意。
憑き物が落ちたかのようにまるで毒気がないですから。
とは言え、エレクトロニカやアンビエント色を適度に配したメロウな収録曲の数々は決して質の低いものではありません。
初夏の夕暮れ時あたり、穏やかな心持ちで耳にするのには最適です。
これがGavin Friday???という違和感さえ頭から払拭できさえすれば、なかなかの佳作だと思います。