華々しいベガスで生きる男と女の壮大な叙事詩である映画「カジノ」。
選び抜かれた曲の数々はスコセッシ監督の好みそのものでもあるが、ベガスの華美な部分を強調するには最高な曲が並んでいる。
代表的な例ではオープニングでデニーロが吹っ飛ぶ場面で当初Disk-2の8曲目"House of the Rising Sun"「朝日のあたる家」が使われる予定だったが、スコセッシ監督の「神聖な曲を罪深い連中の物語に使うのも面白い」という発想で"Matthaus-Passion"「マタイ受難曲」に差し替えられ、絶妙に仕上がっている。このシーンは鳥肌立つくらい曲と映像がマッチしている。
「マタイ受難曲」はラストのベガスが変わり行くさまが描かれているシーン(古いカジノが爆破解体されるシーン)でも使われておりこの映画のタイトル曲といっても過言ではないだろう。
派手なロックやポップスを多用するのではなく洒落っ気のあるオールディーズを用いることでベガスのゴージャス感が見事に表現されており、これは最近の「オーシャンズ11」や「オーシャンズ13」でも用いられている表現方法ではなかろうか。
豪華二枚組みで内容も豪華でゴージャス。これを聞けば70年代の古きよきベガスの時代を味わえるのでは。
しかし残念なのはストーンズの曲が入っていない。スコセッシ監督作品ではかなりつかわれているし本作でも何曲か使われていたので、せめて""Gimme shelter"だけでも収録して欲しかったので☆4つ。