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レイモンドカーヴァーの作品を読んだ後は、そんな不思議な『いい感じ』が、ぼんやりーと心の中に残ります。なんだこの奇妙な感じは?って思って、読み返してみても、やっぱり、話としては、大事件とかあんまり起きてないんですよね。
「大聖堂」という話が、最高でした。不思議な幸せに、じんわりとうたれます。
(老婆心ながら)アドバイス:各小説の本文のはじめに、村上春樹の解説がちょこっと載ってるのですが、それを読むと、その見方でしか小説が読めなくなってしまうこともあるので、それを!見ないでまず本文を味わったほうがいいかもしれません。その後、解説を読んだほうが、「一粒で2回おいしい」体験ができます。
いつ見ても最後に何かじーんとくる感覚が残るのが、「ささやかだけれど、役に立つこと」、「僕が電話をかけている場所」、「大聖堂」です。絶望の中で見出せる小さな小さな希望、というのでしょうか。ほんのわずかな手かがりが、死や別れやディス・コミュニケーションに、未来を切り開く大きな可能性を見せてくれます。
それがね、大仰に描かれてないのが、カーヴァーのすばらしいところ。あくまで、日常という人生の一部分なのです。
そう、原文で読むことのできる英国系の人々には悪いが、村上春樹の訳文でカーヴァーを楽しめる日本人は幸せだと思う。そういいきってしまえるほどこの二人のコンビは完璧だ。
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