2006年9月リリース。予想に反して最初の出だしはまるで新ウィーン学派のピアノ曲のようだ。段々に今度はベーラ・バルトークのミクロコスモスのようになっていく。まるでクラシックのコンサートを聴いているような錯覚に落ち込む。2枚組のこのアルバム、最後へ行けば行くほど良くなる。限定盤『レインボー・ロータス』でしか聴けなかった『Paint My Heart Red』をやり始めたあたりから、これは随分サービスがいいなぁ、と思い始める。
そして次の『My Song』では出だしで観客が喜びの余り拍手をしてしまう。キースのライヴでは珍しい現象だ。ヤン・ガルバレクの氷の風のようなソプラノ・サックスでの名演はキースを聴く者の誰の胸にも渦巻いているモノなのだな、と思った。
キース・ジャレットも既に60歳。希有な才能も既に60歳だ。
僕は思う。こういう素晴らしい音楽を生み出す人たちと同じ時代を生き、ライヴを体感し、考え、生きてきたことがいかに幸せだったかと。
いつまでも怒濤のように鳴りやまない拍手。素晴らしすぎる演奏だ。(>_<)