コープマン指揮アムステルダム・バロック合唱団&管弦楽団の演奏による、バッハのカンタータ全集第8巻です。録音は1998年3月に行われました。このCDはコープマンの自主レーベル「Antoine Marchand」からの再発売盤です。
この巻にはバッハのライプツィヒ時代第1年巻のカンタータ12曲が収録され、第89番の冒頭のバスのアリアは2つの稿が収められています。12曲中5曲がクリスマス用の作品であり、管楽器が華麗に活躍する曲がずらりとそろっています。
コープマンの演奏もこういった「ゴージャス」な編成の曲では強みを発揮するようです。第65番もホルンの響きが勇ましい、豪快な演奏を展開しています。器楽陣の技術も第90番のトランペットをはじめ、見事という他ありません。合唱も軽やかで透明感あふれる、キレのいい響きを聴かせてくれています。
ソロ歌手はレッシュマン(ソプラノ)、マグヌス(アルト)、バルトス(アルト)、デュルミュラー(テノール)、メルテンス(バス)の5名が参加していて、おおむね好演です。
この巻でもコープマン独自の試みがいくつか見られます。第60番冒頭のアルトとテノールの二重唱ではアルトのパートが合唱で歌われたり、第109番冒頭合唱では各パート1名の合唱、通奏低音にチェンバロを使用して演奏されたりしているのです。それなりに美しくて効果的ですが、第60番に関しては私は個人的に普通のやり方で演奏して欲しいと思いました。