コープマン指揮アムステルダム・バロック合唱団&管弦楽団の演奏による、バッハのカンタータ全集の第1巻です。1994年11~12月に録音されました。このCDはコープマンの自主レーベル「Antoine Marchand」からの再発売盤です。
この全集は作曲年代順による収録のため、第1巻ではバッハの最初期(20代の頃)のカンタータを聴くことができます。最初期と言っても第4、21、106番などの魂を揺さぶる天才的な傑作がずらりと並んでいて、改めてバッハの偉大さを痛感します。
コープマンらの演奏もスタートの第1巻ということもあってか、気合が入っていて充実しています。合唱、器楽陣とも文句なしの出来栄えです。ソロ歌手もヴェスル(アルト)やギ・ドゥ・メ(テノール)らが初期カンタータによく似合う、独特の味のある歌唱を披露しています。
ピッチはコーアトーン(A=465くらい)を採用しているので、第4番や第106番などの聴き慣れた曲もとても新鮮に、繊細に聴こえます。なお第21番の第9曲と、第4番の第1、2、3、9曲は異稿も付録として録音されています。
コープマン独自の試みもいくつか見られます。第21番の第4、5曲は通常テノールで歌われますが、ここではソプラノに歌わせています。また第185番の第1曲ではオーボエで伴奏されるコラール旋律をソプラノ斉唱に歌詞つきで歌わせているのです。それなりに効果的だとは思いますが、初めて聴いた時はちょっと戸惑いました。