詩人ヴィニシウス・ヂ・モラエスの死後10年目(1990年)、彼を追悼するコンサートのPA確認のための音源がCD化されたもの。尚、CD発表はヴィニシウス死後20年目の命日(2000年7月9日)。このときジョビンもこの世の人ではありませんでした。
コンサートのメンバーはバンダ・ノヴァからのピックアップメンバーで、トム・ジョビン、パウロ・ジョビン、パウラ・モレレンバウム、ジャキス・モレレンバウム、ダニーロ・カイミの5人。ボサノヴァ・バンドというよりは室内楽団といったイメージです。
演奏はすばらしいです。ヴィニシウスゆかりの曲を演奏していくのですが、まず、ヴィニシウス作曲の作品がかなりあるのに少し驚きました。そして、ジョビン=ヴィニシウス共作の作品も、いわゆるボサノヴァではなく、ザンバ・カンサオンを洗練させたような曲がいくつかあります。 いわゆるボサノヴァだけじゃない。ジョビンの音楽性の懐の深さはすばらしいです。サンバ・カンサオンも都会的で、魂に響く音楽にアレンジされています。
このアルバム、詞の日本語訳だけでなく、コンサート中のジョビンのコメントも訳されていて、さらに各曲に曲にまつわるエピソードが付いています。日本盤で数倍楽しめると思います。