キヤノンの標準域大口径Lレンズは28-80mmF2.8-4、28-70mmF2.8、24-70mmF2.8と銀塩から数えて3本目の使用になります。
世代交代を重ねるごとに確実に描写性能は向上しているのですが、その間にフィルムからデジタルへの移行が行われ、さらには暗い条件下での撮影対策が大口径レンズ使用優先から実用ISO感度向上や手ぶれ補正性能向上などにシフトすることで、購入理由を見つけることが困難になりつつあるレンズの一本と言ってもよいかも知れません。
事実、私も所有の同じくキヤノン24-105mmF4と比較した際、使用頻度では8割方24-105を持ち出します。やはり、レンズ自体の軽さや大きさによる取り扱いやすさが大きな理由といってよいでしょう。また、24-105の描写自体も、記録としての写真や、余程大伸ばしを行わない場合の作品撮影用途としては必要十分以上の実力を持っていることもメリットとして忘れることはできません。
では、残り2割で、重くて嵩張る24-70mmF2.8をあえて持ち出す理由は何故かと問われると、それは、大口径単焦点レンズとの組み合わせに欠かせないからというものになります。
私の場合、最も妥協せず写真を取るときには、F1.4の大口径単焦点レンズと大口径ズームレンズをそれぞれ取り付けたカメラを一台ずつ持ち出して撮影します。単焦点レンズをメインとして使い、構図上の制限を感じた際の押さえとしてズームレンズを利用することになります。
この時、24-70mmF2.8の代わりに、24-105mmF4を持ち出すことは考えられません。何故なら24-105mmF4は単焦点レンズの描写と比較した際、描写が固く、ぼけ味自体も不自然なものになってしまいがちです。そのため、単焦点レンズの押さえとしては使えないということになります。
一方で、24-70mmF2.8の場合、開放域付近では辛うじて押さえ用途にも使える描写を見せてくれます。
カメラのレンズは趣味としてみた場合、沼と呼ばれるように自己満足、あるいは道楽と呼ばれる領域の製品が多いのですが、この24-70mmF2.8は、ワークホースとして非常に優秀な24-105mmF4が存在することで、不幸にも道楽レンズの一つになってしまったと言えるかも知れません。
しかしながら、描写は魅力ですし、明るさの面でも確かなメリットは存在するため、本当に必要とされる方には十分お薦めしたいレンズです。
蛇足ですが、より精度を必要とする大口径レンズについてはメーカー問わず同様に、使用による継続的な振動などでも描写に悪影響の生じることもありえます。そのため自身の利用頻度に合わせてオーバーホール等の積極的なメンテナンスも必要になります。
このような形での購入時には見えないコスト増も、大口径レンズ購入には存在することは注意すべき点と言えるでしょう。