Lee Morgan(trumpet), Sonny Clark(piano), Doug Watkins(bass), Art Taylor(drums)
リー・モーガン入門にも、ジャズ入門にもうってつけの一枚だろう。全編通して本当に
すんなり耳に入ってきて、ホッと胸をなでおろすような出来栄えだ。ジャズを漁りに漁って
る人には、帰るべき家のようなそんな温かさがある。
心地よく甘美な「Candy」、ウキウキ弾む「C.T.A.]などいいが、やはり「All The Way」に
尽きるな。ここにモーガンの真髄、ジャズの真髄がある。普通に聞けば、なんだなんの変哲も
ないスローじゃないかという人もいるだろうが、ここでの気持ちの入り方は本当に素晴らしい
よ。
そしてジャズの真髄といったのは、もともとジャズという音楽は技巧をひけらかすものじゃ
ないわけであって、つまりクラシック音楽的な技巧という、それとは違う意味で。ようは何が
大事かってことであって、クラシックという音楽は、元々全てを持ってる人がやり始める
訳で、そこで大事なのは良くも悪くも技術なんだよな。何とか楽団なんて所にいる人種は楽譜さえ
渡せば何だってできるだよ。ただジャズはそうじゃない。ジャズは反対で何もない、金もない、物
もない、愛もない所から貪欲に開拓していった結果できたものだ。だから最終的に何が大事かというと
にじみでるような温もりと、包み込むような心地よさなんだ。ここでのモーガンからは、まさ
にそれがある。いいなあ。。