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ヨ・ラ・テンゴはいいバンドだと皆知ってはいたが、こんなにも心のこもったいい作品を作るとは。14年もの間地味なロックバンドの代表として活動してきたが、ニュージャージーのホーボーケンをベースとしたこのトリオがついに注目を浴びる時が来た。まるでだらだらと同じことに没頭しているうちに、ヨ・ラ・テンゴはマニアックなレコード・コレクターから90年代のインディ・ロックの古典主義者になってしまったようだ。ソニック・ユースやステレオラブ、ペイブメント、マイ・ブラッディ・バレンタインに代表される特徴をミックス。透明感のある声はこれまでも定評あったが、今までで一番心地良い。かたくなに多様性にこだわってきた夫婦兼マルチ・プレーヤー、アイラ・カピアンとジョージア・ハブレイに第3のメンバー、ジェイムス・マクニューは、今までも本来の姿であるポップ・ロック・バンドと、アート指向のノイズバンドの間を行ったり来たりしてきた。この『I Can Hear...』ではそんな葛藤と戦う必要はなくなったようだ。ノイズは健在だが、みな抑制が効いている。一番サウンドの分厚い「Autumn Sweater」「Sugarcube」「Moby Octopad」といった曲でも、耳に残るメロとさらに繊細なハーモニーを聴くことができる。「We're an American Band」(グランド・ファンクのカヴァーではない)は、サイモン&ガーファンクルがジーザス&ザ・メリーチェインズと一緒に歌っているかのよう。「Shadows」や「My Little Corener of the World」といった曲は、何と言ってもメロディーが印象的で、単純なアレンジが「シンプル・イズ・ベスト」を再認識させてくれる。インディ・ロックがヨ・ラ・テンゴに追いついたと同時に、ヨ・ラ・テンゴが彼ら自身に追いついたのだ。(Amazon.com, Roni Sarig)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
ニューヨーク,アンダーグラウンドの陰……。ヴェルヴェッツなるもの,今最良のカタチの一つをしっかり聴かせる3人組。涼しくも,ひたひたとやってくる胸騒ぎの種。繊細にして,怠惰な音の暴力。広がる聴後感,しっかりと訴求する通算8作目。★