表紙に載っている、駅のホームに立つ制服の女の子の写真を見て
まず「うーん、電車が来るのを待って、電車を一緒に写すべきだなあ。構図的に電車がほしいなあ。」
って思い浮かんだ人は、あんまりこの本を楽しめないかも。
構図、露出、色合い、etc.の写真技術がまず気になる人向けの写真集じゃない。
旅先や普段の生活とかで、ふと「これ撮りたい!」って思う瞬間は誰にでもあるよね。
そういう“心のシャッター”を押したいっていう衝動が、デジカメや携帯電話というツールの普及によって、
誰でも容易に写真として残せるようになった。
どの写真も「撮りたい」っていう撮影者の強い思いを感じるし、
撮った写真を「自分だけでなく、みんなに見せたい。楽しみたい。」っていうのがビシビシ伝わってくる。
だから僕らも、載ってる写真を見ているうちに、顔がほころび、心がほっこりし、
さらに、こんな楽しい写真を自分だけが見ているのはもったいないから、友達や家族にも教えたいって思うはず。
僕が好きな写真は(みんな好きなんだけど)しいて挙げれば、
1.“じいちゃんの住む町”(福島県郡山市)
「家の中でも寒いからと帽子をかぶったまま」ってコメント付きで、見ると毛糸の帽子を頭にすっぽりかぶってる!
2.“近鉄電車の中”
電車のロングシートで横の手すりを背中にして、はだしの両足をシートの上に伸ばして座ってる。
まるで我が家のように自然だから、不作法とかには全然見えない!
3.“言葉を失いました。さすが大阪”
普通の町中の、普通の歩道を歩く、普通のおっちゃん。
ただ一つ普通じゃないのは、このおっちゃんが真っ黄色にシマシマ入りの上下を着ていて、
背中にはタイガースのあの虎の絵がドアップでプリントされてるところ(笑)。
写真もさることながら、撮影者が被写体に出会ったときの、
驚きや喜びとかのワクワク感がぶわっと膨らんでいくのを想像するのも、楽しい。