カバーアルバムやトリビュートアルバムは大きく分けますと
(1)オリジナルの曲を崩して奏者の新解釈で編曲し演奏したもの
(2)オリジナルに忠実に沿った演奏をしながらも、その忠実な演奏の中で奏者の個性を反映させたもの
の2種類に分けられるかと思いますが、どちらが優れているかということではなく個人的にどちらが好きかといえば私は後者が好きです。
Syuさんのこのカバーアルバムは一部の曲(例えばMuseの曲はもの凄くメタル仕様になっております)を除き、ほぼ後者の曲で占められています。ギターソロは原曲に完全に忠実という訳ではなく、ほとんどがSyuさんのオリジナルのフレーズになっているのですが、ソロでもキメのフレーズは原曲に沿ったものが多いです。
いくら私が(2)の方が好きだとはいえ、演奏が完璧であっても没個性的に原曲をコピーしただけではカバーアルバムとしての魅力を感じませんが、Syuさんは原曲に忠実という姿勢でオリジナルのアーティストに敬意を払いつつも自分の個性はしっかりと素晴らしい形で出しています。これはなかなか出来ることではないと思います。
Syuさんを支えるメンバーはその多様な曲に対して適材適所といった感じですが、個人的には小野正利さんのパフォーマンスに驚き、感動しました。小野さんはどの曲でも素晴らしいのですが、特にNever Dieは本当に素晴らしかったです。小野さんはQueensrycheのカバーでも「ジェフ・テイトの雰囲気を出しながらも、しっかりと小野正利」であったことに私は驚いたのですが、この曲でも「マイク・ヴェセーラの雰囲気を出しながらも、しっかりと小野正利」となっていて、これがまた白眉の出来!最高です。
原曲が発表された時期は割と幅があり様々な世代がこのアルバムを楽しめると思います。
Syuさんの音楽遍歴が垣間見えるこのHR/HM正統継承者の履歴書を、ぜひ手に取ってみてください。