今月の特集は『オバマ大統領誕生』。この雑誌は今ある雑誌の中で一番レベルが高いとぼくは思っている。この号から、iPhone用のアプリとしても無料配信が始まったのでそれで読まれた方もいるかもしれない。アプリの方は今一歩だったが、雑誌の方はなかなかの出来映えだ。
まず就任した1月20日の全世界の様子が写真で紹介されている。オバマ大統領に関連深い、アフリカや出兵増強を発表したアフガニスタンなど、写真は文字以上に雰囲気をそのまま伝えている。次に世界の各々の国の雑誌がオバマ政権をどうとらえているかの掲載が続く。興味深かったのはその論調が、自分の国がいかにアメリカにとって重要な国なのか、を共通して論じているところだ。中国などは1ヶ月以内にオバマ大統領自身が中国を訪れねばまずいことになる、といった論調で書いている。既に1ヶ月は過ぎたのだが。
そして2008年のノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンの就任演説に対するコメントが続く。この学者は批判ばかりしていて、具体的な施策を自分で論じたことがない嫌いな学者の一人だが、予想通りのコメントで笑った。演説の文章の多くはケインズの受け売りと言っている。それ以外も多面的にオバマというアクターを捉えた特集で感心した。雑誌はこうでなくては、と思う。