タイトルこそ『けもも』であるが、実際の位置付けは「人外」であり「獣」分はかなり薄いので、体毛に覆われてモコモコとしたようなキャラクタを期待している人は、決して買うべきではない。これはとてもとても大事な点。
ただ人外としては、妖怪や女神や蝉、キノコの擬人化くらいは順当としても、腕がもう2本生えてきた女性、鉄塔少女、毒ガス人間まであり、決して「難易度」が低いわけではないと思うので、自信がある人は、チャレンジしてみるのもよい。
とは言え、はっきり言えばこれは、「人外萌えアンソロジー」ではなく、一時休刊中のCOMICリュウから、かわいらしい絵柄の作品の新作を集め、それに他の漫画家の作品も合わせた、『COMICリュウ 臨時増刊号 +α』といった向きだろう。
COMICリュウ本誌連載の作品では、『ねこむすめ道草日記』、『セントールの悩み』、『マロマロ』は、本誌での内容どおりでそのまま人外キャラクタ作品になるが、他の作品では例えば『まんがの作り方』は登場人物がネコミミのカチューシャをつけただけ、『木造迷宮 雑誌休刊篇』に至っては、完全にいつもどおりの『木造迷宮』でしかない。
まぁ、いつもどおりと言うことは、再開を待ち望んでいる私のようなCOMICリュウ読者からしてみれば、マンガとしてはどれも大いに楽しめるものなので、その点では星5つ上げてもいい単行本だと思うのだが、やはり、自ら掲げているアンソロジーのテーマに沿っていない作品が平然と収録されているというのは、普通に考えれば、ひどい話でしかない。違うものなら違うものとして堂々と出せばいい。
買うつもりの人は、よくよく注意と覚悟はしておくのが、よいと思う。