2枚組だが価値のあるのは1枚目と2枚目の1曲目。つまり、ポリャンスキー
指揮、ロシア国立室内合唱団の演奏。この盤面や情報だけではほとんどわから
ないが、これほど上手い合唱団がさりげなく、このような録音をしているのは
驚くべきこと。
この合唱団は、いわゆるロシア風の合唱団(バスが良く鳴り、声量と音圧で勝
負)とは異なる方向を行った精緻な合唱を聴かせてくれる合唱団です。そうで
ありながらも、声自体は伸びやかな印象を与えるため、精緻なのにせせこまし
い印象がないという希有な例でもあります(シュニトケの合唱協奏曲や、ラフ
マニノフの「晩祷」、等名演)。しかもこの盤での演奏は全てが アカペラなの
で、美しいハーモニーを堪能できます。
編曲は日本人がやっているようで(楽譜も売っている)、多少、ギミックっぽ
い編曲ではありますが、これはこれで、十分許容圏内。単にメロディを浮き立
たせて聴かせるのではなく、ハーモニーの中で、メロディを紡いでいくという、
合唱には良くある編曲方法なの で、合唱をする人は楽しめるでしょう。
逆に言うと、歌声喫茶などで、みんなで同じメロディを口ずさんだという経験
のあるご年配の方や、単に有名なロシア民謡が聴きたいという方が、この盤を
聞いても、この盤の価値は理解できないでしょう。
なお2枚目の録音はいかにも昔風のロシア民謡集で(バスが迫力あるがそれだ
け)、一部録音は音割れもあるなど、個人的にはお勧めしません(だから星4
つ)。
いずれにせよ、レビューに現れているほど低いレベルではないので、是非購入し、
ポリャンスキー指揮の曲だけはお聞き下さい。