1968年5月に出た、彼ら唯一のアルバム『ヤングサウンド・R&Bはこれだ!』全曲―「トンネル天国」「恋はもうたくさん」の2曲はアルバム用の新録音。シングルとはノリが全く違う!―に、シングルでリリースされた音源を追加したもの。1989年リリースの『VINTAGE COLLECTION』、2002年リリースの『コンプリート・コレクション』と内容そのものは同じで、ブックレット、ケース裏の仕様、そしてCD本体に刻印された番号は89年の『VINTAGE COLLECTION』そのまま。従って、黒沢進氏らによる解説文も、そのままのものが読める。
チャート的にはデビュー曲「トンネル天国」が下位に入っただけで、商業的成功には縁遠かったものの、ここで聴けるすべてのスタジオ録音=18曲・20トラックの端々に、米軍キャンプで鍛えた若き彼らの腕の冴え、ほとばしる情熱、かもし出すグルーヴ感がめいっぱい詰まっている。「ウォーキング・ザ・ドッグ」とか「のぼせちゃいけない」とか、本当にスゴい。正直、あんまりノッてないと感じるポップ系カバーでも「マサチューセッツ」なんか、しみじみとしてなかなかいい仕上がり。ピエロが主人公のオリジナル「世界中にほゝえみを」もしみじみ系の佳曲で、シングル両面とも異色作、という「真夏の夜の動物園/毛皮になったしま馬」、青春歌謡としては名曲な「夢でもいいさ」(バックはオーケストラ)などと合わせ、このバンドの多面性を感じ取ることができるはず。
なんか気分がパッとしなくて、元気出したい時に聴くといいかもしれない。そんな1枚です。
なお、このCDは収録音量がやや低いため、もっとラウドな音量で「トンネル天国」「恋はもうたくさん」(いずれもアルバム・バージョン)&「のぼせちゃいけない」を楽しみたい方は『昭和元禄トーキョーガレージ』(ビクター編)をどうぞ。