内容紹介
「CM戦略」
耳慣れない言葉かもしれませんが、この「ねじれ現象」の謎を解く重要なキーワードとなります。
CMは1年間で20,000素材以上が制作されています。その裏には、CMの方向性を決定づける戦略書(=ストラテジックシート)が存在します。そこには、「どんなCMにするか」という基本的なCM設計図が緻密に組み立てられ、モノを売るための「CM戦略」が詰まっています。つまり、ここに「CMの成否を決める根源」があり、売りにつながらないCMの改善に向けたメインスイッチが秘められているのです。
さて、1990年代、TVCMは他の広告媒体を圧倒した最高峰の存在といっても過言ではありませんでした。私は、その最盛期から20年間以上に渡り、広告を専門とした会社である(株)テムズのマーケターとして、1000素材以上のCMのコンサルティング・分析・調査を行ってきました。
最近TVに、そしてその源泉となるTVCMに、元気がないと言われています。インターネットの台頭やメディアの多様化、商品の細分化、さらには昨今の経済不況と、決してTVCMが安泰な広告メディアでなくなっていることも事実です。私がTVCMと一緒に歩んできたこの20年間は、広告メディアにおけるTVCMの位置づけが大きく変化した時期といえるでしょう。
その潮流をも捉えながら最も感じたことは、「CM質の向上がCM価値を高め、売りにつながる」ということです。そして、時代やメディア環境の変化にかかわらず、的確な戦略に裏打ちされたCMが、普遍的に高い広告効果をあげるということです。
本書では、あえてこうした時期だからこそ、「TVCMは何のためにあるのか」を今一度問い、CMづくりの土台となる「CM戦略」から見つめ直してみたいと思います。そして特に、「CMの質」を中心にクローズアップし、実際のCMをケーススタディとして、マーケティング視点におけるポイントを説明しています。
TVCMに興味・関心のある皆さんには、「CM戦略」というCM制作の「舞台裏のさらに裏」に迫ることで、マーケティングに接する機会になってもらえればと思っています。また、仕事として広告に携わる方々には、限られた広告投入量で効果を最大限にあげるための何らかのヒントを掴んでいただけたらと思っています。
そして、本書から、「TVCMの真の効果と狙い」が少しでも見えてくれば、最近、ちょっと元気がないといわれているTVCMに、エールが送れる書籍として、活用いただけると確信しています。
内容(「BOOK」データベースより)
著者からのコメント
「マーケティング」と「クリエイティブ」。よく、水と油のような関係と思われがちですが、私は決してそう思いません。
マーケティングだけでは、なし遂げられない「新たなる価値づくり」がクリエイティブにはあります。一方で、マーケティングは「戦略の方向性の決定」と、しなやかに力強く走る車の両輪と考えています。
本書では、この大前提に立って、具体的なCMを取り上げ、そのクリエイティブについてマーケティング視点から解説しています。皆様のテレビCMに対する興味・関心が更に深まる一冊となれれば幸いです。
<一般読者の皆様へ>
CMの最大の目的は芸術作品の創出ではありませんが、皆さん視聴者が参加してつくりあげる「文化」だと思っています。それは、皆さんのような視聴者の方々にCMは評価さることにより、その方向性が決定され、また新たなるCMが生まれるというマーケティング・サイクルが存在するからなのです。我々は、皆さんの声に徹底的に耳を傾けます。そして、よいCMづくりに向けてその声を大いに反映させていきます。
こんな今だからこそ、CMの未来に向けて、読者の皆さんのような、厳しい目を持つ方々の強い応援が必要なのです。そのことが、「時代のときめき」を伝えるようなCMを、世の中にどんどん送り出すことにつながり、今後のテレビCMを活性化させる原動力になると思っています。
<CM関係者の皆様へ>
これからも、テレビCMにとっては決して楽観できない状況が続くことは、間違いありません。そのなかで、CMの送り手側がすべきことは、テレビCMの「広告効果の明確化」と「活性化」の2つであると考えます。
まずは、「広告効果の明確化」について。テレビCMが始まって約55年になりますが、放送局・広告代理店・業界関係者が、テレビCMの効果測定を積極的に行ってきたとは言い難い面があります。お金を出す各企業の担当者から、広告効果測定が強く叫ばれ始めたのは、ここ10年。
なぜ、こんな状況が起こってしまったのでしょうか。普通に売られている商品だったら、「買っていただくと、こんな良いことがありますよ」と明確にするのは当たり前のことだと思いますし、その保証がなければ、買う人もいないでしょう。
テレビCMが、「効かない、効かない」といわれてしまっている現実。
それを打破するには、「CMが本当に有効なんだ」「いや、このくらいまでなら効果があるんだ」という証拠を客観的に突き詰める必要があります。その紛れもない証拠となるのが、「広告効果測定の結果」となります。そして、積極的に広告効果測定の結果を開示・活用することによって、テレビCMの持つ「真の効果」が明らかになり、「テレビの媒体価値の下落に歯止めがかかる」のです。
さて、もう1点の「活性化」。
大手企業の出稿量が減り、手もお金もかけられてない、安易なCMが増えていることは否めません。
しかし一方で、視聴者のCM離れを防ぐために、スポンサーである企業のみならず、広告代理店や制作会社を含めた送り手側は、もっと魅力的なCMをつくり続けていかなければいけません。かつてのように殿様商売じゃなくなった分、工夫次第では他媒体との連携も含め、まだまだ発展性がありそうです。そしてCMに関わる1人としても、「CMまだまだいけるじゃん!」と言わせるような展開に向けて努力していきたいと思っています。
著者について
株式会社テムズ代表取締役。1963年長野県生まれ。電気通信大学経営工学科卒業。87年、株式会社アイアンドエス(現I&S BBDO)入社。マーケティング局・情報センターを経て、コミュニケーションマーケティングの専門会社、株式会社テムズ設立。CMを中心としたマーケティング戦略立案に携わり約20年。テレビCMの広告効果測定から次期広告戦略の提案を得意分野とし、大手モバイルメーカー、飲料メーカーなどナショナルクライアントのCMプランニングに携わる。クライアント実績は多数。http://www.tems.ne.jp
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
株式会社テムズ代表取締役。1963年長野県生まれ。電気通信大学経営工学科卒業。87年、(株)アイアンドエス(現I&S BBDO)入社。マーケティング局・情報センターを経て、コミュニケーションマーケティングの専門会社、株式会社テムズ設立。CMを中心としたマーケティング戦略立案に携わり約20年。1000素材を越すテレビCMの分析・戦略策定実績を持つ。テレビCMの広告効果測定から次期広告戦略の提案を得意分野とし、大手通信会社、飲料メーカーなどナショナルクライアント多数のCMプランニングに携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)