「CMようこ」の第2弾ということで、菅野よう子さんが手がけてきた CM曲をコンパイルした作品集です。
第1弾に収録できなかった作品がまだこんなにもたくさんあったのかと、驚くばかりです。今回の作品集の特徴は、ビートルズの「1. All you need is love」、クラシック作品の「3. 火祭りの踊り」(ファリャ作曲)、「15. 悲愴」(チャイコフスキー作曲)、トラディショナルの「10. Life is dance」と、作曲が菅野さんでない作品を多めに収録していることです。
中には「オリジナルじゃないの?」と否定的に捉える方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは決してありません。サウンドクリエーターとしての菅野さんのチカラを味わえる作品ばかりです。作曲家にはメロディだけを考えてあとは編曲家に任せてしまうタイプの人と、編曲からプロデュースまでこなしてしまうタイプの人がいます。菅野さんは間違いなく後者で、オリジナルでない作品も「菅野よう子 色」に染めてしまうところが彼女のすごさなのではないかと思います。特に時代時代によって作風を変えていく中で、1997年の「15. 悲愴」はエスカフローネのころのような管弦楽作品で、懐かしさを感じる良作です。
もちろん、オリジナルも、光栄作品やマクロスプラス、エスカフローネのころのクラシック色の強いものから、カウボーイビバップのころのジャジーなもの、"分身"のガブリエラ・ロビンさんによるコミカルな歌もの、彼女の真骨頂――心に染み込んでくるメロディアスなものまで、多彩な作品を収めています。時代時代の菅野さんを楽しめるのは、この作品ならでは、でないでしょうか?
挙げたらキリがありませんが、特に「9. 赤い太陽」や「11. New Moon」、そして (怒濤のごとく続く)「18. Remember me」以降の「19. Maria」「20. 美しい明日へ行きませんか?」「21. My Love」「22. 奇跡と退屈」「23. GREEN」「25. World you reached」「28. Sougen」の各曲は泣きたくなるほど心に響いてくる秀作ばかりです。ジャケットのデザインの意味がわかります。「29. お弁当を食べながら」「30. Share」でしめくくるあたりは、アルバムとしての完成度も高めていると思います。
菅野さんの曲が好きな方には絶対おすすめできる作品集です。