賛否両論ある著者のようですが、この本は紛れもない名著だと思います。
「耳コピは大事」といっても、一体どこまでやれば耳コピなのか、具体的に何をすればいいのか、を決めかねてしまう部分が長年ありました。
ソロのフレーズを一音一音取っていく、というのはもちろん違うし、CDを聴きながら1小節ごとに知っているコードを当てはめていく、というのもなんだか違う。だからといって、曲のパートをぜんぶMIDIで打ち込みDAWで鳴らし、完全再現してやっと安心、というようなやり方では時間がいくらあっても足りません。
そういった疑問に一応の答を与えてくれたのが、この「ギタリストのためのハーモニー」です。
メロディとベースから基本的なコードを探り、単純明快な「大きな古時計」に始まって、わずか4曲目にしてaikoの「カブトムシ」に挑む、という強引な構成。しかしそれでいて、そこにほとんど無理を感じさせない理論的解説の確かさと短さ。
この本が本格的に「音楽する」ことの入口になる人は多いのではないかと思います。